PA業者ではありませんが

あえて一言。

 当方は、2005年開業以降、いくつかのイベント主催者からPAのボランティア(無償)を相談されることがありました。

当方は、そもそもPA業者ではありませんので、その都度お断りしていますが、あえて言わせていただくならということで以下に書きます。



失礼ながら不勉強では?

  •  私は、ボランティアの手段としての音楽もありますが、音楽全てがボランティアではないと考えています。「私たちは、普段、仕事をしながら、休みにボランティアに参加する。何故あなたはボランティアとして参加しないの?」という意見の方もいるでしょう。私は、その献身的な姿勢を素晴らしいと考えます。
  • 地域住民がそれぞれの得意分野を活かし、ボランティアとして、協力するという考え方もあります。しかし、冷静に考えてみてください。PA業者にとってイベントは「ボランティアの場」ではなく「仕事の場」です。イベントがない時が休日です。もし、PA業者がボランティアに参加するならば、それは彼らがPAをしない休日に限ります。 
  • 専門業者として仕事をしている方に、初めての相談で、いきなりボランティアを求めるなど非常識で信用できません。初めての相談が、年に一度のイベントで、しかもボランティアだったら?また来年まで用無しですか?今後、お客として利用する気はあるのですか? あなたが、仕事でそういう相談をされたら受けるのかもしれませんが、私ならやりません。
  • PA業者自身の新たなサービスの在り方を模索することも必要ですが、一方で、主催者の配慮の無さが、PA業者を貶めている面があるのでは?観客は、楽しめれば良いし、裏の事情を知りません。 主催者が、観客の目線を意識することは良いですが、観客と同じ感覚では困ります。
  • イベント主催者は「食べもの屋台、手作り雑貨屋」と同じように、PAを専門技術のある方に頼むなら仕事と認識するべきです。イベント、文化事業の多くが、有志の力で行われ、それが当り前のような地域では、主催者は、あわよくば協力してもらおうと考えがちです。活動家の中には、収益性、経済活性化を唱えながら、ボランティアを求めてくる方々が時々います。しかし、PA業者の側から見れば、彼らの生計を無視した依頼ではありませんか?それでは、地域に良かれと考えて活動していても、矛盾していますし、美談に酔うだけの配慮の足りない方々になっていませんか? 

演奏者についても配慮を

  • 演奏者についても同じことが言えるかもしれません。演奏者が実力を付け、認められるまでには何らかの苦労・努力が必要です。しかし、応援、叱咤、激励、良かった悪かったという評価を伝えるならまだしも、「下積み」「演奏させてやっている」という考えの主催者は快く思えません。
  • 発表の場は、様々。主催者が望んだのか、それとも演奏者が申し出たのかで、意味が変わってきます。よく考えて相談しましょう。

参考リンク


以上、いろいろと述べさせていただきましたが、どうかお気を悪くせず、その辺をよくよく考えていただきたいと存じます。そしてPA業者と良い関係を。

注意:この文章は2012/11/11にFacebook上で書き始め、ここに転載。その後も、最適な表現はないか考え、必要があれば修正しています。